相続放棄の必要書類と申述書

相続放棄の必要書類一覧

相続放棄の手続きには下記の書類の準備や取得が必要となってきます。

	申　述　人
必要書類	被相続人の配偶者	被相続人に子（または孫）	被相続人の親（父母）または祖父母	被相続人の兄弟姉妹または甥姪
①相続放棄申述書	○	○	○	○
②被相続人の住民票除票	○	○	○	○
③申述人の戸籍謄本	○	○	○	○
④収入印紙（800円）	○	○	○	○
⑤切手（80円を5枚程度）	○	○	○	○
⑥被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本	○	○	ー	ー
⑦被代襲者（配偶者または子）の死亡記載のある戸籍謄本	ー	○※1	ー	ー
⑧被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本	ー	ー	○	○
⑨配偶者（または子）の出世時から死亡時までの全ての戸籍謄本	ー	ー	○	○
⑩被相続人に親（父・母）の死亡記載のある戸籍謄本	ー	ー	○※2	○
⑪兄弟姉妹の死亡の記載のある戸籍謄本	ー	ー	ー	○※3

※1：孫の場合　※2：祖父母の場合　※3：甥・姪の場合

※必要書類は申請する家庭裁判所によって、異なるケースがありますので注意が必要です。

申述書のサンプル・記載例

相続放棄は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して、相続放棄の申述書を提出し、相続放棄申述受理通知書という書面を家庭裁判所から受け取ることで手続きは完了します。

申述書のサンプル

20歳以上の申述書（画像クリックで拡大）

20歳未満の申述書（画像クリックで拡大）

家庭裁判所に行けば書類一式を貰う事ができますが、相続放棄申述書のフォーマットは裁判所のホームページでもダウンロードして入手可能です。※相続放棄の申述書は、20歳以上または20歳未満なのかで書類のフォーマットが違いますので注意が必要です。

記載例

『裁判所名・申述人名等の記載』
相続放棄申述書の太枠内に、【提出する家庭裁判所名】【申述書提出日付】【相続人の名前】に記入しチェックをつけてください。また、【相続人の住所及び本籍】【被相続人との関係】【法定代理人に関する情報】【被相続人に関する情報】を記入し、相続人の方が捺印します。この時の押印は認め印で構いません。（画像をクリックで拡大）

『申述の理由』
相続放棄を行う理由を記入します。どのような理由かによって、家庭裁判所が相続放棄を受理しないという話はございませんが、「債務超過で支払いが不可能」等、具体的なご事情を記載します。

『相続財産の概略の部分について』
記入をしていくと「相続財産の概略」という部分がありますが、財産を記載する際、その時点で把握している負債やプラスの財産を分かる範囲で書く程度で問題ありません。1円単位まで細かく書かなければいけないというわけではありません。

『捺印に使う印鑑について』
使う印鑑は実印でなくても良いとされています。ただし、実印以外を使った場合はどの印鑑を使ったのかを覚えておかないと、相続放棄申述書の提出後も手続きは続きますので、どれを使ったか忘れないように、きちんと使った印鑑を把握しておきましょう。

これから自身で相続放棄の申請を行う方へ専門家からアドバイス（こんなに大変！相続放棄の申請手続き意外に大変！）

相続放棄申請をご自身で、申述書を作成し、その他必要書類をご自身で集めようという方もいるかとは思いますが。

下記を閲覧してからでも遅くないと思いますので是非参考にしてください。

相続放棄の申請は司法書士や弁護士などの専門家でなく、ご自身で全てを行うことが可能です。実際に当事務所にご相談に来所された方の中でも、自分で行うことを前提だった方も少なくありません。しかし、そのような方でも、ほとんどのケースで「当事務所の専門家に依頼していただく」事になっています。なぜなら、相続放棄申請を法律知識の無い一般の方が行うには「非常に危険」であり、「かなりの時間がかかる作業」だからです。以下にその注意点や負担になる箇所をご説明いたします。

『戸籍の収集（相続人・被相続人）』物理的や時間的にかなりの時間等を要します（必要時間：目安３０時間）

戸籍は「亡くなった方（被相続人）のもの」と、「相続放棄を行う人（相続人）のもの」が必要となり、。相続人の数が多い場合には、様々な役所（遠方）から戸籍を集めてこなければならないために、実は意外に大変で時間のかかる作業がこの戸籍収集作業」になります。。

『相続放棄申述書の作成』ひとつのミスも許されない！（必要時間：目安５時間）

相続放棄申述書の必要書類は裁判所のホームページなどからダウンロードできるので、簡単にに作成できそうですが注意が必要です。単純な様ですが書き方によっては、相続放棄が家庭裁判所に認められにくくなったり、場合によっては受理されない可能性もあります。

『相続放棄申述の照会書』法的な知識が絶対不可欠！（必要時間：目安１５～２０時間）

相続放棄申述書を家庭裁判所に提出すると、通常は文書による照会が行われます。

基本的には、家庭裁判所から来た質問（相続放棄を行うことになった理由など）に対して回答すればよいので、難しいことは無いと思いがちですが、質問の意味を正しく理解せずに、質問に対して正確に答えられない場合には、話が拗れてしまい、場合によっては受理されなくなってしまう可能性があります。

質問に対して、単純に回答すればいいのではありません。法的に問題ない形で正確に返答することが求められるのです。その為、法律的な知識を知っていなければならないために、法律のことを理解していない方が回答することは非常に危険なのです。相続放棄を行う為に、絶対にミスは出来ません。安易に自分で行うのではなく、まずは当事務所にご相談いただくことを強くお勧めします。

『債権者対応』手続きをしても完了ではありません！

相続放棄申述書を家庭裁判所に提出し、照会書に回答をした後に、裁判所から受理証明書が届いたら、相続放棄が完了ではありません。

債権者に対して相続放棄が受理された旨を通知しなければなりません。裁判所が皆さんに代わって債権者に対して相続放棄を行ったことを通知してくれるわけではありません。債権者にとっては債権の請求できなくなるため、様々な手を使って皆さんに支払いの催促をしてきます。また、こちらを素人と見て相続放棄に応じてこなければ、全く解決しません。その為、債権者に対して相続放棄を行ったことを証明する必要があります。

『他の相続人への通知』次順位の相続放棄は大丈夫！？

相続放棄の手続きが全て完了しても、場合によっては他の相続人に対して借金の請求がいってしまうこともあります。ですので、他の相続人にも、相続放棄をするかどうか確認をする必要があります。

また、他の親戚と連絡を取る事が難しい場合や、その相続人をまったく知らないといった場合もあります。それでも、相続放棄を行う必要があるために、他の相続人にも告知する必要があります。

そこで、当事務所では、皆さまに代わって、次順位の相続人に対して状況の説明、および相続放棄の必要性を説明するサービスを行っています。

相続放棄申請を行うのにかかる時間や労力はどのくらい必要

上記の様に、他の相続人を含めて、全ての相続放棄手続きを行ってから、相続放棄が完了したといえます。少々オーバーに感じられる方もいらっしゃる方もしれませんが、決して誇張しているわけではないのです。

相続放棄の申請は、皆さまが想像しているよりもずっと大変な作業なのです。だからこそ、私たち司法書士の様に相続放棄を行う専門家が必要なのです。

これらの作業を皆さまがご自身で実際に行った場合、いったいどれくらいの時間がかかるのでしょうか？

戸籍の収集を行うにも、平日の日中に役所などに行って、申請の手続きを行わなければなりません。

また、裁判所も平日しか開いていないために、家庭裁判所とのやり取りも平日の日中に行わなければなりません。

この作業を皆さんの時給に換算するとしたら、いくらになるでしょうか？また、普段のお仕事をお休みできますか？

結論としては、皆さまが相続放棄の申請を全て行うよりも、私たち専門家に依頼するほうが、確実に相続放棄の申請を行うことができ、ご自身でやることはほとんど無いため、非常に楽であり、何より時給換算すると安いのです。

ご自身で相続放棄申請をされた場合、確かに目に見える出費は少なくなりますが、作業に奪われる時間を考えると、実質は高くつく上に、さらには失敗する可能性が高まり、何もよいことはありません。

何よりも、もし、受理されなかったら多額の負債を抱えることになります。ですから、相続放棄を「確実に、楽に、安く」やりたいとお考えの方は、迷わず専門家に依頼することをお勧めいたします。