【千葉市・家族信託・Hさん】高齢になった母の認知症対策に家族信託を活用
千葉市内で一人暮らしの母と近隣に住んでいるHさん(長女)(離婚しており、子供1名と同居)からの相談です。
母には亡夫から相続した時価4000万円の自宅と3000万円の預貯金があります。
母は最近物忘れが出始めており、将来的に自宅を売却して施設に入居することも検討しています。ただ、しばらくは自宅に住んでいく予定であり、施設に入ったからといってすぐに売却してしまうのもどうかと考えている状況です。
当事務所から家族信託(民事信託)をご提案させていただきました。なお、後に発生するであろう相続についても同時に対処いたしました。
委託者 母
受託者 Hさん(長女)
受益者 母
信託財産 自宅/現金2000万
信託終了事由 母の死亡
帰属先 Hさん(長女)
※別途 ご長男さんへの遺言書作成
今回のご相談のポイントは以下の通りです。
・母が認知症になった場合自宅売却等ができない
・母が認知症になった場合預貯金の引き出しができない
・母の認知症の有無により自宅売却の可能性有(介護施設入所も検討の為)
・母が元気な内は自分で生活費等の管理ができるよう現金を分割
・自宅の売却・管理・有効活用の将来的リスク廃除
・母が亡くなった場合の相続時に対する姉弟の遺産分割省略
まずは、お母様とHさん(長女)とで信託契約を結びます。信託財産は自宅と現金2000万となります。お母様が亡くなった時点で信託終了となります。また信託財産はHさん(長女)へ帰属する形となります。
この契約を結びことにより、お母様がもし認知症を発症した場合でも、自宅の管理・売却・有効活用はHさん(長女)が行う事ができます。
この信託契約としてのメリットは上記だけでなく、不動産取得税、贈与税や譲渡所得税などは発生しないことになります。
また、今回のご相談では後の相続も鑑みておりますので、長男さんへの相続対策として遺言書を作成しています。信託財産以外は長男さんへ相続する事を明記しておけば、姉弟間で遺産分割協議をすることなく相続が可能となります。
今回のご相談での一番の肝は、認知症になってしまった場合のお母様の財産の活用の不自由さです。仮に成年後見人を選任した場合でも、恐らく親族が成年後見人になることは出来ず自宅並びに預貯金の活用に柔軟さはありません。基本的には成年後見制度は本人の財産を守る事が主体だからです。
万が一の事を考えると、お元気な内に現時点で対策を打てることはしておき、将来誰しも訪れる詩に対して準備をしておくことは、とても重要な事です。