【千葉市・事業承継・Uさん】社長交代で社内が混乱、退職者が急増(事業承継失敗例)
当事務所のクライアントの経営者さんから、千葉市内に住む友人のUさんの事業承継のご相談です。
当事務所クライアントの経営者さんのご友人であるUさんの事業承継についてアドバイスが欲しいとのことで、お話を聞くことになりました。
Uさんの会社は食品加工業を営んでおり、従業員数は40名・Uさんは70歳です。体調や体の衰えを感じ、Uさんの会社に入社して15年経っているAさんを後継として社長にしました。Aさんは会社の業務分門を全てこなしており、新規の顧客開拓もこなしUさんからの信頼もかなり厚く、後継者として社内的にみても間違いはありませんでした。
ですが、こともあろうに退職者が次から次へと増えていき現在は通常の業務ですら、ままならなくなっているそうです。
なぜ、退職者が増えてしまったのか?
実は、この先代社長であるUさんから後継者となったAさんは社内改革と称して「組織変更」「人事制度」「新規事業」「能力主義」「成果主義」等、次々と改革に着手しました、ところがこの改革が原因にあったのです。Aさん的には活気のある職場・若手起用による会社成長を求めたのですが、ベテラン社員はもちろん若手にまで反感を持たれてしまい、改革はおろか退職者が増える一方でした。
このような事例は、中小企業等にとっては良く聞く事例ではあります。社長になったとたんに、会社の為を思い急なかじ取りをしたことによる社員とのかい離です。人は誰も急激な変化に対応ができないものですし、またそれを望みません。たとえ、それが会社の為には非常に良い事であっても直ぐには理解されませんし、反対にあう事が殆どです。
今回の事例の場合Aさんは、先代社長Uさんの親族ではいので、余計にベテラン社員等からの反発も強かったのだと思います。
事業承継(社長交代)を上手く行うには
色々な手法や準備が必要なのは当たり前なのですが、今回の事例でお話をするとまずは、
①先代社長Uさんと後継者Aさんとの事前の情報共有や創業精神・理念等の理解
時代は変わっていきますので、先代と後継者では考え方や創業精神・理念が違って当たり前です、まずはここからスタートしなければなりません。先代社長は問題にならいと感じていても、後継者は問題だと感じていることはザラにあるはずです。
②今回の事例ではAさんは現場あがりの立場ですので、改革を独断で進めるのではなく、ベテラン社員から若手まで良くコミニュケーションをとってから改革を打つべきだったでしょう。リーダーシップは数日では生まれません、Aさん自身もリーダーシップとは何か、社員との円滑のコミニュケーションによる信頼、これを先に学ぶべきだっとのだと思います。
今回のご相談の後日談としては、当事務所の経営者様に次のアドバイスをしました。
①先代社長Uさんが後継者であるAさんを陰ながらフォローすることができるのであれば、落ち着くまではフォローする。
②社長交代前後での諸問題をUさんAさんとで一度整理をし具体策を今後に生かす
結果的には、まだ先代社長Uさんがお元気なので後継者Aさんをフォローし会社を立て直していくことになったそうです。
事業承継は親族が後継者になっても、親族外がなっても何かと問題は起きるものです。ですから現経営者の方はお元気なうちから綿密に後継者(事業承継)の事を考えておかなければなりません。
人・物・金、全てが動きますので、是非、専門家を交えて考えてみてください。