【市原市・家族信託・Nさん】高齢者同士の再婚で家族信託を活用
市原市にお住まいのNさんよりご相談です。
Nさんは現在60歳ですが奥様は既に死別されていて、最近知り合ったA子さん57歳と再婚を考えているそうです。A子さんには成人している子供が2人おり、A子さんもまたご主人と死別されているとの事でした。Nさんには32歳になった一人息子さんがおり、じつは再婚に対してかなりの反対をしているそうです。再婚反対の理由としては、Nさんが自宅の他に収益不動産があったり、株式投資も行っており、A子さんの死後に父親の財産がA子さん側の親族へ相続されることを懸念しているからなのだそうです。また、Nさんにしてみれば再婚したA子さんが自宅に住めなくなるのではと言う不安も残ると思っているそうです。
「解決策は家族信託にあり!」
では、Nさんの想いとにたいしてNさんの息子さんの懸念を将来の相続時にちらブルにならないようしていけば良いのか?
今までは、遺言書等や贈与を使い完全ではないが、ある程度の想いは遂げてきたと思います。ですが、近年【家族信託(民事信託)】という新しい法律スキームを使って、遺言や贈与以上の解決方法が使われるようになってきました。従前の遺言や贈与よりもはるかに柔軟に活用する事ができます。
では、今回のNさんのご相談を例にご紹介していきます。
まずは、家族信託(公正証書による遺言信託)の設計を行って行きます。
委託者:Nさん
受託者:Nさんの長男
受益者:A子さん
信託財産:Nさんの自宅と預貯金の一部
※信託財産以外のNさんの財産(収益不動産・預貯金・有価証券)の全てをNさんの長男が相続すると遺言書を作成
※A子さんは遺留分の放棄手続を実施(Aこさん希望)
※Nさんの死後は不動産の管理費用とA子さんの生活費は信託財産(預金)の中から捻出、万が一信託財産(預金)が足らなかったらNさんの長男が現金の追加信託をする旨を遺言の付言事項とします。
※A子さんが死亡した時点で信託終了とし残余財産(信託財産)はNさんの長男に帰属します。
※信託監督人として当事務所の司法書士がなります
今回のご相談ではA子さんへの親族側へNさんの財産がいってしまうという懸念を払しょくする為に上記のような契約事項となりました。これで、信託財産についてはA子さんの子供たちには相続権がありませんし、遺留分減殺請求権もありません。Nさんの長男が全てを承継する形となりました。ただ、Nさんの想いを完全に実現する為に信託監督人を選任いたしました。
これで、Nさんが再婚するにあたり障壁は払しょくされたと思います。Nさんの長男もご納得され、無事にNさんは再婚されたそうです。
家族信託(民事信託)は、遺言では不可能であった部分や、ある意味で生前に遺産分割ができるといっても過言ではありません。そのご本人や取り巻く環境によって様々なケースがあると思いますが、現在相続や贈与・遺言・認知症対策等でお悩みの方は、是非専門家にご相談することをお勧め致します。