【我孫子市・家族信託・Fさん】事業承継は家族信託活用でトラブル回避
我孫子市にお住まいのFさんより事業承継のご相談です。
Fさんは長年経営されてきた会社の承継を考えは始めました。株式譲渡の費用や時期後継者の
未熟さで心配事も多数あり、何かいい方法はないかとご相談にいらっしゃいました。
「家族信託を使った事業承継」
※最近よく聞く民事信託ってなに?
一般的に『信託』と聞くと、信託銀行などの投資等を扱うイメージが強いと思いますが、これ
は商事信託と言い、『家族信託(民事信託)』とは別なものになります。
上記図は商事信託ですが、『家族信託(民事信託)』は自分の財産を資産管理の専門家に任せるのではなく信頼できる家族に財産を託し、柔軟に資産管理、資産承継を行う方法のことを言います。
「家族信託の具体的な活用事例」
現在、様々な場面で家族信託が活用されています。【認知症対策】【事業承継】【相続】等に使われており、従前の遺言書や成年後見制度よりも使い勝手の良い法律となっています。では具体的にどのように活用されているか見ていきます。
今回は、当事務所にご相談んいいらっしゃったEさんの事例を取り上げてみます。
Eさんは、ご自身で創業した会社を長年経営されてきました。事業も売り上げも安定しており事業そのものには問題はありませんでした。
現在は、Eさんが代表取締役、Eさんの娘夫婦が取締役、長男の孫が社員として会社に携わっています。長男さんは海外勤務(Eさんの会社とは別)の為、たまにしか日本には帰ってきません。
Eさん的にはそろそろ引退も考え始めており会社を次世代に移したいと考えはじまていますが、長男は海外、実際会社に携わっている娘夫婦には子供がいない為、相続が発生した場合に後々に娘夫婦の旦那側への親族に流れてしまう可能性があることも懸念しております。
また、Eさん自身も体調不良の懸念もあり、万が一認知症になってしまったら、会社の経営(議決権行使)はどうなってしまうのかとういう不安も持っておりました。
幸いに、孫(長男の子供)は将来、会社を引き継ぐと言ってくれているのですが、まだまだ先の話ですし…といった具合でした総合的な解決策はあるのでしょうかというご相談内容でした。
「Eさんの不安は?」
纏めるとEさんの不安は以下の通りです。
①仮に娘夫婦に株式を移転した場合、将来孫(長男の子供)に株式を渡してくれるのか?
②Eさん自身が認知症を発症した場合会社の議決権の行使は誰が行うのか?
簡単に明記すると上記が不安材料ですが、この不安を解決するのに家族信託を活用します。Eさんが不安に思っている事は、現代社会において相当数あてはまる事例だと思います。
「家族信託を使って不安解消(事業承継)」
委託者:Eさん
受託者:娘・孫
信託財産:株式
指図権者:Eさん
信託終了事由:Eさんの死亡時
信託財産帰属先:孫
まずは上記図のように、信託設定を致します。Eさんを指図権者と設定することで、お元気なうちは受託者を指図して議決権を行使できるようにします。また、万が一認知症になった時は受託者が議決権の行使を担う事になります。こうすることによっって、会社(事業)を停止する事無く円滑に経営していくことが可能となります。
後のEさんの相続時には、信託財産で設定した株式が、お孫さんに信託財産の帰属先となっていますので、信託契約に遺言の機能を持たせながら事業承継をすることができます。
また、Eさんの相続時に成年後見制度を使用していた場合は遺産分割協議を行分ければ相続は出来ません(承継先を指定することは出来ない)
「まとめ」
家族信託は、契約締結後の10年やその先を見据えた上で設計をしなければなりません。そのためには、ご本人はもちろん家族環境やその意思を良く考えた上で行わなければなりません。従前の遺言書や成年後見制度・贈与等で様々な相続や事業承継方法がありました。決して家族信託が万能なわけではありませんが、従前の方法よりは柔軟な対応ができるという点では、現在相続や事業承継でお悩み中の方は、一度専門家にご相談することをお勧め致しまし。