【千葉市・家族信託・Kさん】「親なき後問題」に家族信託(民事信託)を活用
千葉市にお住まいのKさんよりご相談です。
家族構成
父:78歳(Kさん・現在は年金暮らし・身体の調子が悪い)
長男:50歳(実家のある同市内で独立)
次男:48歳(大学卒業後就職・現在は心の病で引きこもり)
Kさんには、自分の死後非常に心配することがあります。それは上記にもあるように、次男の引きこもりです。次男さんは大学卒業後に就職をして企業に勤めていらしたそうなのですが、対人関係のトラブルを機に鬱病を患ってしまい、そこからは殆ど家(ご実家)から出なくなってしまったそうです。いわゆる「引きこもり」になってしまい、社会適応能力が無くなってきている状態だそうです。
現在、Kさんと長男さんで面倒を見つつ生活をしているそうなのですが、最近Kさん自身の体調もあまり良くなく不安な中で生活をされているそうです。実際に次男さんの面倒は、夜遅くまで働いている長男さんより、Kさんがほぼ面倒をみているといった状態だそうです。
次男さんが今後、病気が良くなり社会復帰してくれれば良いのですが、現在のKさんの体調等を考えると万が一ということも考えられなくもありません。長男さんとも話し合い、万が一の時は次男さんの面倒を見るということで了解をとりつけてあるそうです。(長男さんも次男さんを心配しています)
実はKさん、現役時代より資産形成をかなりしてありご自身の死後に長男さん次男さんにかなりのお金を残すことができるそうなのです。ですが、独立している長男さんは自己管理含めて金銭管理がありますが、次男さんはそもそも引きこもりの時期も長くその辺りが大変心配なのだそうです(Kさんが亡くなった場合に多額の相続財産を手にする為)
「親なき後問題」
今回のご相談は、いわゆる「親なき後問題」です。これは、引きこもりや知的障がい等で財産管理に問題がある子供がいた場合に、その両親が亡くなった後、その子供が今まで通り生活が送れるようにするにはどうしたら良いかという問題です。
単純に、その両親が亡くなった後に面倒を見てくれる者がいれば良いのですが、全員がそうなるとは限りません。ですので、昨今では今回のご相談の場合と同様にその解決策として「家族信託(民事信託)」に脚光が浴びるようになってきました。
「家族信託(民事信託)を使って解決」
では、家族信託(民事信託)を使ってどうのようにKさんの悩みを解決するのでしょうか?
家族信託には【委託者】【受託者】【受益者】と3つの役割が登場します。今回のKさんのご相談に当てはめていきます。
委託者:父(Kさん)
受託者:長男
受益者:父(Kさん)・次男さん
信託財産:自宅・現預金
まず委託者である父(Kさん)と受託者である長男さんの間で信託契約を結びます。信託財産として自宅と現預金を設定し、毎月一定の生活費等を受益者である父(Kさん)・次男さんに渡すことにします。
この契約を結ぶことによって父(Kさん)・次男さんの生活費等は万が一父(Kさん)が認知症になった場合や、亡くなった場合でも対応する事が可能です。
ただし、父(Kさん)が亡くなった場合は、受益者(受益権)をどうするかもしっかりと決めておく必要があります。後々のトラブル回避の為にもあらゆる想定をしておいたほうが良いです。
・受託者・受益者(受益権)の設定(様々な想定をする)
・信託契約の終了時期(どの段階で終了するのか)
・信託財産の帰属先(信託契約終了後)
上記のように信託契約を設計時に、その当人と専門家の間で綿密に契約内容を決める事が重要です。
今回のご相談同様に、いつご家族の中でお子様が【社会適応能力が低い】【財産管理が乏しい】【身体的・精神的・知的等の障がい】を持っていた場合、現状は親御さんが生活を含めたサポートをしていますが、親御さんが先に亡くなった場合に、その後どのように生活し何ら不自由なく生活できるかは、少なくとも生前に対策を売っておく必要があると思います。親御さんが亡くなってからでは難しい状況になってしまいます。確かに、社会問題となっている事象ではありますが、今回のご相談も含めて【家族信託(民事信託】は、その解決方法の一つではありますので、現在お悩みを抱えている方は、一度専門家へのご相談をお勧め致します。