【船橋市・相続手続き・Fさん】遺産分割協議において考慮しなくてはいけないこと
船橋市にお住まいのFさんよご相談です。
Fさんのお父様が先日亡くなり、ご自身を含めた相続人(兄弟3人)で遺産分割協議をしようと思っているのですが、どんな点に注意をし、どのように決めれば良いかとのご相談です。
遺産分割を行うに当たっては、その前提として以下の項目は必須となります。
①相続人の確定
②遺産の範囲と評価の確定
③各相続人の具体的相続分の確定
細かい部分は沢山ありますが、遺産分割協議を進めるにあたって一般的に考慮すべき点を説明していきます。
「相続人の確定」
大抵、相続人が誰であるかは分かっていると思われますが、遺産分割の協議をするにあたって、他に相続人の資格がある者がいないか念のため調べる必要があります。遺産分割協議に相続人の1人でも参加させないで遺産分割協議を成立させた場合、その遺産分割は無効となります。そのため、被相続人が子供をつくることが出来る年齢以後の身分関係の分かる戸籍謄本などを取り寄せて、相続人が他にいないか確認する必要があります。仮に、被相続人にいわゆる「隠し子」がいて認知されていれば相続人の資格があることになり、その者を除いて話し合いを進めることは出来なくなります。
「遺産の範囲と評価の確定」
分割すべき相続財産の範囲が決まらなければ、遺産を分割することは難しくなります。もし、そのことについて話し合いがつかなくなると、家庭裁判所の審判や通常の民事訴訟に発展し、争わなくてはならい状態になります。次に、遺産の評価ですが、よく問題になるのが不動産です。遺産分割協議の段階では、実際の取引売買価格を不動産業者等から聞く方法が一般的です。相続人の1人が取得する不動産の評価額について争いがあるとき、相続人間で評価額の合意ができればよいのですが、合意できなかった場合は不動産鑑定士等に正式な鑑定を依頼することとなります。
「各相続人の具体的相続分の確定」
各相続人の相続分は法律(法定相続分)によって定められていますが、遺産分割の話し合いでは相続人全員の合意があれば、この法定相続分に関係なく自由に相続分を決めることができます。法定相続分を修正する制度としては、特別受益や寄与分の制度がありますが、法定相続分を修正するために、相続人はあらゆる事情を話し合いの場を持ち出すことができます。
※※遺産分割の基準※※
民法では「遺産の分割は、遺産に属する物または権利の種類及び性質、各相続人の年齢・職業・心身の状態および生活の状況その他の一切の事情を考慮してこれをする」と定め、遺産を分割する際の指針としています。
例えば、遺産の中に農地や居住用の土地建物、あるいは営業用資産がある場合、農地は農業を継承する者に相続させ、居住用の土地建物については現に居住している者の権利を考慮する必要があります。また、営業用資産は、これを分割してしまうと営業の継続ができなくなるため、できるだけ一体として扱うなどの考慮が必要となってきます。
したがって、これらの遺産を細分化しないで、できるだけ一括して相続人が取得できるものとし、他の相続人には代償金を支払うなどの方法で分割し相続人間での公平を図る事は、この分割の指針に沿った解決ということができます。