【千葉市中央区・家族信託・Bさん】相続税対策で建設中のマンション完成までに、父が認知症を発症してしまったらどうなる?
千葉市にお住まいのBさんよりご相談です。
Bさんのお父様は後の相続税対策のためにマンションの建設を計画しましたがお父様が高齢のため建設中に万が一認知症を発症し、判断能力や意思能力が低下してしまったら、マンション建設への支障はあるのでしょうか?(最近少し物忘れが多くなってきています、マンション完成までは1年半を要します)また、母は既に他界しており、私(長女:Bさん)と息子のCがいます。息子のCは父の養子になっています。万が一に備えて有効な対策はあるのでしょうかというご相談です。
「家族信託を利用しなかった場合」
色々な意味で行った相続税対策が、お父様の判断能力低下によって計画凍結の恐れが無いとは言えません。
仮に、お父様が認知症を発症して意思判断能力を喪失した場合、最終的にマンション完成時の建物引渡しや登記、また金融機関の融資等にも支障が出てくる可能性は否定できません。
最悪の場合は、建設中または施工後の手続きを中断しかねません。従前においてはこの解決法として「成年後見制度」がございました。ですが、成年後見制度を利用すると、その建物(マンション等)の運営管理・賃貸借契約等の各種契約に影響がでます。後見人はその本人が亡くなるまで辞退ができませんので、お父様がお亡くなりになるまで後見が続くことになります。
「家族信託を利用した場合」
不動産の「所有者」から「受託者」にすることで管理は家族に!
贈与税をかけずに計画凍結のリスクを回避
今回のご相談の場合、相続人の中にお孫さんがいます。このお孫さんを「受託者」として設定し、土地については「委託者」をお父様にし、「受益者」もお父様という設定で家族信託を組みます。
さらに、建設の請負契約も「受託者」であるお孫さんが契約をします。もし借入が必要な場合、借入申込は「委託者」であるお父様が行います。
最終、マンションが完成するまでの1年半の間に、万が一お父様が認知症を発症してしまい、意思判断能力が無くなってしまっても、新築建設されたマンションは「信託財産」として「受託者」の名義で不動産登記を行います。ですが、「受益者」はお父様ですので、不動産からの収入(賃料等)、借入金等の返済はすべて「受益者」であるお父様が負担をすることになります。
したがって、お孫さんである「受託者」が契約等の遂行をし、その後のマンションの運営管理をお孫さん自らの権限で行う事ができます。(事前に建設会社や金融機関との十分な打ち合わせは必要となります)
※※家族信託のメリット※※
今回のご相談に家族信託を活用する事によって以下のメリットがございます。
・お父様が認知症により意思判断能力を喪失しても、お孫さんがその後を引き継ぐことができる
・建設完了後も成年後見制度では不可能な部分を信託利用により認知症対策ができる