【千葉市若葉区・相続手続き・Mさん】相続税はどのようにして納付するのか?
千葉市お住まいのMさんのご相談です。
当事務所で相続手続きを行ったMさんの最終的に相続税の納付の仕方についてのご質問となります。
「相続税の納付」
相続税は申告期限までの金銭で一時に納付する事が原則です。納付が遅れると納期限の翌日から2ヵ月以内は年7.3%、それ以上遅れると年14.6%の利子税が課されます。相続税を一時に金銭で納付することが困難な場合には延納制度、金銭で納付できない場合には物で納付する物納制度があります。
「延納制度」
相続税は財産税の性格を有しているため、一時に金銭をもって納付することが困難である場合には、一定の要件のもとに年賦延納の制度があります。
1 適用要件
相続税の延納の適用を受ける場合には、次に掲げる要件を全て満たさなければなりません。
①申告・更正または決定により納付税額が10万円を超える事
②相続税の納期限、または納付すべき日に金銭で一時に納付することが困難である理由があること
③担保を提供すること(納付額が50万円未満で、且つ延納期間が3年以内の場合は不要)
④相続税の納期限、または納付すべき日までに延納申請書に担保提供関係書類を添付して提出すること
2 延納期間
延納期間は、原則として5年以内ですが、その者の相続税の計算の基礎となった課税財産の価額のうち、不動産等の価額の占める割合に応じて最長20年まで延納することができます。延納期間中は利子税がかかります。
3 延納の手続き
相続税の延納の申請をする者は、相続税の納期限または納付すべき日までに延納申請書に必要事項を記載し、担保提供関係書類を添付しなければなりません。
「物納制度」
相続税を金銭で納付する事が困難である場合に、金銭納付の例外として、一定の要件のもとに設けられた制度です。
1 適用要件
納付すべき相続税額を金銭で納付する事を困難とする事由がある場合には、納税者の申請により、納付することを困難とする金額を限度として物納を申請し、税務署長のの許可を受けなければなりません。
2 物納財産
物納に充てることが出来る財産は、相続または遺贈により取得した財産(その財産を処分して代わりに取得した財産を含みます)で日本国内あるものの内、次に掲げる順序とされます。ただし、質権、抵当権その他の担保権の目的となっている財産など管理または処分が不適当な財産については、物納が認められません。
①国債及び地方債
②不動産及び船舶
③社債、株式、証券投資信託又は貸付信託の受益証券
④動産
3 収納価額
物納財産の収納価額は、相続税の計算の際の相続税評価額です。
4 物納の手続き
相続税の物納の許可を受ける場合には、物納しようとする相続税の納期限または納付すべき日までに必要事項を記載した物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出しなければなりません。
5 物納の再申請
物納申請した財産が不適格と判断され却下された場合でも、その却下された財産に代えて1回に限り、他の財産を物納財産とする物納申請をすることができます。また、物納申請した者が、本来金銭による延納が可能であるという理由によって物納を却下された場合には、その相続税について延納申請することができます。
「特定物納制度(延納から物納への変更)」
延納の許可を受けた相続税について、その後金銭による納付が困難となった場合には、その相続税の申告期限から10年以内に限り、延納から物納への変更を行う事ができます。これを「特定物納制度」といいます。なお、特定物納財産の収納価額は物納申請の時の時価となります。