【印旛郡栄町・遺言書・Aさん】遺言信託とは、どういうものか?
印旛郡栄町にお住まいのAさんより最近よく耳にする遺言信託のご質問です。
「信託銀行の遺言信託」
法律上の概念で「信託」というときは、信託法にいう信託行為により、委託者が受託者に対し、一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的のために必要な行為をすべきものとして財産権等の権利自体を帰属させてしまうことを言いますが、信託銀行の業務として「遺言信託」と言う場合には、遺言作成援助業務、遺言保管業務および遺言執行引受業務を一般の方に通りがいいようにそういっているのが通例です。
信託法上、遺言による信託行為もできますし、委託者が、遺言する代わりに死後の財産処分について受託者である信託銀行と信託契約を締結しておく、遺言代用信託というのも、信託銀行は業務として取り扱っています。この頃では実際上相対的に件数が多い「遺言信託」について述べたいと思います。
「遺言作成援助」
信託銀行は、まず遺言者が遺言書を作成するにあたり、遺言対象財産の確認とその評価、相続人、相続分といった法律的事項、相続税の計算、遺産の管理・運用といった事項について事前に相談します。そして、遺言書作成に当たっては、遺言の趣旨・目的の他、信託銀行が遺言執行の引受予諾が可能かの観点から文案を検討し、公正証書遺言にすることを勧めます。こうして、遺言書の文案がまとまると、遺言者と信託銀行との間で、遺言引受予諾契約を締結します。
「遺言書保管業務」
信託銀行は、遺言書(正本・謄本)を責任をもって保管するだけでなく、定期的に財産や推定相続人等の異動を照会し、必要に応じ遺言内容の変更手続きに協力します。
「遺言執行引受業務」
信託銀行は、遺言の収集、財産目録の作成、財産の管理・処分、財産の分配等、遺言執行者としての業務を行います。また、信託銀行は上記の「遺言信託」だけでなく、遺産整理業務として、被相続人が遺言を残さないで死亡した場合、又は遺言はあっても、遺言執行者の指定がない場合、相続人からの依頼に基づき遺産整理業務として、遺産の調査、相続財産の目録の作成、遺産分割手続きの援助、相続税の納付代行といった業務も行っています。
「信託銀行への手数料・報酬」
これについては、信託銀行とご相談いただくほかありませんが、遺言保管料は遺言作成時に基本保管料及び毎年一定時期に年間保管料、遺言執行報酬は、遺産のうち積極財産が多くなれば、それに応じて多くなりますが、遺言執行報酬の遺産総額に対する割合は逓減するのが通例です。