【千葉市中央区・相続手続き・Nさん】相続人に未成年者がいる場合の相談事例
千葉市にお住まいのNさんよりの、ご相談です。
ご主人が亡くなり、相続税を納めることになりそうなのですが、相続人はNさんと、16歳のお子様の2名です。相続人に未成年者がいる場合、軽減措置があると聞いたとのことで、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
相続税法では、未成年者が成人に達するまでの養育費や教育費を考慮し、相続人が未成年者である場合、一定額をその未成年者の相続税額から控除することができるとしています。
「未成年者控除の適用要件」
未成年者控除の適用を受けることができる相続人は、次の要件を満たしている場合に限ります。
①日本国内に居住していること(無制限納税義務者に限る)
②被相続人の法定相続人であること
③未成年者であること(20歳未満である者)
被相続人の子が先に死亡しているため、子の代襲相続人にあたる孫が相続した場合、その孫が未成年者であり国内に居住していれば未成年者控除を受けられます。未成年者が被相続人の養子である場合も同様です。また、未成年者が相続を放棄した場合であっても、遺贈により財産を取得したときは受けられます。
「控除額の計算」
未成年者控除は、その未成年者が20歳に達するまでの年数1年につき10万円として計算した金額になります。
(※平成27年1月1日以降の相続については、6万円から10万円に変更されています)
この場合の年数に1年未満の端数がある場合は、切り上げて1年として計算します。例えば、相続人の年齢が10歳5か月の場合、20歳までは9年7か月ですので、切り上げて10年として控除額は100万円になります。なお、胎児の未成年者控除については、生きて生まれた場合に120万円の未成年者控除が認められます。
今回のご相談ですと、以上の要件をを満たしているとすると、16歳のお子様が20歳まで4年ありますので、未成年者控除額は40万円となります。
「控除の方法」
未成年者控除は、その未成年者の相続税から控除します。未成年者控除額が、その未成年者の相続税額を超える場合、その控除しきれない部分の金額は、その未成年者の扶養義務者の相続税額から控除することができます。例えば、未成年者本人の相続税が30万円、未成年者控除額が50万円の場合、控除不足額20万円を扶養義務者である相続人の相続税額から控除することができます。
未成年者が2度以上相続した場合は、それぞれ未成年者控除の適用を受けることができますが、2度目以降の相続の際の控除額は、最初の相続の際に計算した未成年者控除額からすでに控除を受けた金額を控除した残額が2度目以降の未成年者控除額となります。
(20歳-相続開始時の年齢)×10万円=未成年者控除額
未成年者の相続税-未成年者控除額=納付相続税額
※控除不足額がある場合
未成年者の相続税<未成年者控除額 → 控除不足額
扶養義務者の相続税-控除不足額=納付相続税額