【千葉市中央区・相続手続き・Yさん】侵害された遺留分を取り戻すことはできますか?
千葉市にお住まいのYさんよりの相談事例です。お話を伺っていきますと、次のことが分かりました。
Yさんのお母様が亡くなり、実家の全財産を同居している兄に相続させると遺言をしていたそうです。お母様と同居して面倒をお兄様が見ていたのは確かですが、Yさん自身も週末の度に実家へ行き、兄の負担を軽くする意味もあり通っていたそうです。
ですが、お母様の遺言があるとはいえ、釈然としない気持ちになったそうです、そこで財産の一部でも取り返すことは出来ないかと言うご相談内容でした。
父:既に他界
母:被相続人
兄:相続人
妹:相続人(Yさん)
「遺留分減殺請求」
民法では遺言の自由の制約として、兄弟姉妹以外の相続人のために遺留分制度を設けています。すなわち、Yさんの場合は実家のお母様の財産の1/4については、遺留分として減殺請求をすることができます。
「遺留分減殺請求権行使の方法」
遺留分減殺請求権行使の方法は、必ずしも訴えによることなく裁判外で書面でも口頭でも構いません。ともかくお兄様を相手に、遺留分減殺請求権を行使する旨の意思表示をすれば良いのです。
ただ、後にそうのような意思表示があったかどうか争いになるといけませんので、配達証明書付内容証明郵便にしておくことも大事です。
この権利は、遺留分権利者が相続開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時点から1年、または相続開始の時から10年これを行わない時には、時効消滅するとされています。一旦、裁判外ででも行使しておけば、その結果生ずる請求権の裁判上の行使は、この短期時効消滅にはかからないとされています。
ですが、遺留分減殺請求権を裁判外で行使しただけで話がつくのは稀だと思いますので、家庭裁判所に調停・審判を申し立てるか、地方裁判所に遺留分減殺請求訴訟を提起することになってくると思います。
「遺留分と寄与分」
お兄様のほうも、生前お母様の面倒を見た、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産維持または増加につき特別の寄与をしたとして、家庭裁判所に寄与分の調停・審判を求めてくることが考えられます。
しかし、遺留分を侵害するほどの寄与分が認められることはまずないので、その点は心配いらないかと思います。