【Kさん・千葉市中央区・遺言書】施設に入居している母親は日本、相続人である子供は日本在住と海外在住の場合の遺言書作成事例
相談者のKさんより、母親が相談者であるKさんに財産を全て残したいといった内容でした。詳細を伺うと、相談者のKさんは海外に住んでおり、日本へは年に1回~2回程帰国しているそうなんですが、姉は日本にいるが、母と折り合いが合わず、施設への訪問も数えるほどで、お金の無心以外で訪問をした記憶がないとの事でした。
母親も困っているそうなのですが、Kさん自身も今後の母親の面倒や、亡くなった時の相続について、とても困っている状況でした。
当事務所より相続時への対応として、Kさんへ全てを相続させるとする遺言公正証書を作成しました。姉の遺留分の検討も行いましたが、姉へは遺留分を超える生前贈与(特別受益)があり、それらを証明することもできるとのことだったので、当初の予定どおりの内容としました。
海外で暮らすKさんに代わり、万が一のときは当事務所にて一切の手続を行えるよう準備しました。
遺言に加え、母が将来、認知症等により判断能力が衰えて適切な財産管理ができなくなったときのために備え、母親と当事務所との間で任意後見契約も締結しました。
相続人が海外で暮らしている場合、日本国内での手続きは大変な負担になります。遺産分割に必要な相続人間の利益調整も、地理的な問題や意識の差もあって、なかなかうまく進まないというのが実情です。その点、遺言を作成して、遺言執行者を専門家に指定することで、格段に手続が楽になります。
今回ののような将来を見据えた上での任意後見契約の活用も、海外に本拠がある場合は非常に有効な手段だと言えます。