千葉県で遺産相続手続きや登記、遺言書作成でお困りの方は千葉遺産相続手続き・遺言相談所へ

【印西市・相続手続き・Ｋさん】外国籍の方と結婚し亡くなった姉の相続手続き

Ｋさんは２人姉妹で、アメリカ国籍の方と結婚したお姉さまがいました。お姉さまは結婚後アメリカで暮らしており２人の子供にも恵まれていましたが、アメリカ人のご主人が亡くなり、お姉さまは日本に戻りしばらくお父様の実家で生活していました。

そのうちにＫさん姉妹のお父様が亡くなり（お母様はすでに他界）、お父様名義の土地・建物等を姉妹で分け合って相続することにしました。

さらにその後にお姉さまが亡くなり、今度はお姉さまの相続手続きを行うことになりました。

お姉さまの子供２名は財産はいらないといいことで、弁護士を通じて財産放棄を選択致しました。お姉さまの財産は預貯金とお父様から相続した土地をいくつか所有していました。

※ここでポイントがあります。

まずお姉さまが亡くなったことによる相続が発生した場合の、相続人の確認ですが実は以下のような事が判明しました。

・結婚後も日本国籍を有していた
・日本国籍上はずっと独身状態だった
・お姉さまの子供２名は相続放棄をしている

本来相続が発生した場合は、相続人の順位は①配偶者②子供③親・祖父母④兄弟の順になります。

今回のケースでは子供の２名が相続放棄をしていて、配偶者・ご両親・祖父母も亡くなっている状態です。この場合最終的に相続人となるのは唯一Ｋさんとなります。

付け加えると、Ｋさんが唯一の相続人となりましたが、外国籍であるアメリカ人の亡き夫と２人の子供の戸籍が必要となりますが、ほとんどの諸外国には戸籍がありません。代わりにその婚姻関係と２人の子供の証明をアメリカの公証人に取得の依頼をしなければいけないのです。

ですが、今回のケースではポイントで記述した通りにお姉さまは日本国籍のまま、２名の子供は相続放棄をしている状態ですので、お姉さまの戸籍のみで相続手続きをすることが可能です。（よってアメリカからの公正証書は必要ありません）

ただ一点だけやや懸念がありました。それはお姉さまが銀行より融資を受けて事業を行っていた経緯があり、土地に抵当権の設定がありました。そこで「銀行」「Ｋさん」「当事務所」で協議を致しました。

あくまでも国内法にのっとった形でお姉様には「子供がいない」「婚姻歴がない」「Ｋさんが唯一の相続人」ということが明白で、かつアメリカ国籍の２名の子供が相続放棄をしているという点もあり、何らもんだも無く相続できるとの見解に至りました。

よって無事にアメリカから公証人の手続きをすることなく、不動産登記・預貯金・銀行借り入れの名義変更等が行え、大幅な時間短縮の末相続手続きを完了することが出来ました。