【千葉市・事業承継・Yさん】社長交代により資金繰りに追われる経営になってしまった事例
千葉市にお住まいのYさんよりご相談です。
今回のご相談は当事務所クライントのYさんの知人の会社の事業承継の失敗例です。
Yさんの知人のA社長の会社は、千葉県内で飲食業を数店舗経営されています。年齢や体力等の問題もあり、次期社長として入社15年来の常務に事業省を承継しました。この常務さんはまだ40歳と若いですが、現場を統括しA社長の信頼も厚く、従業員・アルバイトを含め何の反対もなく後継社長となりました。
ですが、このA社長の会社は実は資金繰や決算に関わる事は、A社長が一人で行っていたため、常務は現場だけを見つめて邁進してきたという経緯があったのです。
実際、この常務が社長になり、いざ蓋を開けてみたら会社は債務超過に陥っており、資金繰りもが大変厳しい状況だということを知りました。
A社長の想いとしては、社員や後継者に心配をかけまいととした行為だったのですが、常務さんは現在毎日資金繰りに奔走しているそうです。現場一筋だった常務さんは、社長になった瞬間から、飲食業ではなく資金繰りだけが仕事になってしまいました。慣れない銀行回りや資料等の作成も行い、現場はおざなりになってしまい、何の為に飲食業の社長になったのか分からなくなってしまったそうです。
なぜこうなってしまったのか!
経営者は、家族にお金のことで苦労を見せたくないという心理が働くことが多いです。また、後継者がお金(決算や資金的なこと)にノータッチのまま事業を承継してしまうことで、大変苦労してしまう会社も多いです。
(同族経営なら、なおさら多いケースです)
では、どうすればよかったのか!
まずは、後継者に財務諸表を見せ会社の状況を把握してもらう事は一番大切です。この際に専門家にも同席をしてもらい、経営者としての知識等を身に付けさせることも非常に重要です。
その上で、承継前に行うべき方策や施策等を行っていき、経営者としてのなすべきことを享受しましょう。もし、こういったことの準備を怠ると必ずといっていいほど後継者が苦しむことになり、経済的負担までも負わせてしまう事になります。
また、後継者側も経営者としての知識を有しなければいけません。人・物・金の中でお金は非常に重要です。財務諸表を知らずして経営者にはなれませんので、正しい財務を能力を身に付け、円滑な資金繰りも含めて学習することは必須なります。
短期的な資金繰りと長期的な投資等、お金は会社にとって血液です。現経営者も後継者も会社の財務には目を光らせておかなければいけません。