【千葉市美浜区・遺言書・Kさん】遺言で認知することは可能か?
千葉市にお住まいのKさんよりご相談です。
Kさんには、実は愛人がおりその愛人に産ませた子供がいます。さらに第二子も妊娠しています。今後の事を考えて遺言で認知しようと思っているが可能でしょうか?というご相談です。
「認知とは」
認知とは、認知者である父親が、被摘出子、すなわち婚姻外で生まれた自分の子であると承認する行為です。その結果、認知者と被摘出子との間に、親権、扶養、相続といった法律上の父子関係が成立することになります。
「認知の方式」
生前認知は戸籍法に従って市町村役場に認知届を提出して受理されると成立し、子の出生に遡って効力を生じます。遺言による認知は、遺言書に子の本籍、氏名、生年月日を記載し、「遺言者と○○(女性)との間の子であるから認知する」と記載して行います。この場合、遺言者が死亡した時に効力を生じ、死後、戸籍法の規定に従って市町村役場に届出をする必要があります。それには、遺言の中で遺言執行者を指定し、その遺言執行者が遺言の謄本を添えて認知の届出をする形が一般的です。
「胎児の認知」
民法は、子が胎児の場合でも認知できる制度を設けており、生前認知でも遺言による認知もできます。ただし、妊娠中の場合は、既に出生した場合と異なり、母の承諾を得なければなりません。今回のご相談の胎児の認知も遺言によってすることが出来ます。遺言書の記載としては「遺言者は、次の者が懐胎している胎児は私の子であるので認知する」として、母親となる人を本籍、氏名、生年月日で特定することになります。こうしておけば、万が一Kさんが亡くなった場合にも認知の効力が発生します。そして、遺言執行者が遺言書の謄本に母の承諾書を添付して母の本籍地に認知届を提出することになります。Kさんが亡くなった時に胎児がすでに生まれていた場合は、母の承諾書は不要です。胎児の認知の場合にも遺言執行者を指定しておく必要があることは、すでに子供が生まれた場合と同じです。なお、胎児であっても、相続、遺贈については、民法はすでに生まれたものとみなしています。したがって、遺言で胎児に対し、財産処分することもできます。