【我孫子市・遺言書・Nさん】遺言として記載すれば法的効力を生じる事項
我孫子市にお住まいのNさんよりご質問がりました。
Nさんは遺言の中で、自分が死んだ時はお葬式を日蓮宗の○○寺で行うようにと書きたいと思っています、この事項を書くことは法律的に有効なのかというご質問です。
「遺言と遺訓」
遺言は、単に事実上、道義上の効力しかない遺訓と異なり、法律的な効力を伴うものをいいます。民法等は、遺言として記載すれば法律的な効力を有する事項について規定しており、葬儀の方法などは、それに該当しません。したがって、今回のご質問のような遺言は法律的に無効なわけですが、相続人において事実上尊重することは考えられます。
「遺言事項」
法定の遺言事項は次の通りです。
≪1≫身分上のもの
①認知
②未成年後見人および未成年後見監督人の指定
≪2≫相続・財産処分に関するもの
③相続分の指定又は指定の委託
④遺産分割方法の指定又は指定の委託
例えば「・・・の土地はA子に相続させる」という遺言は、土地の価額が妻の法定相続分を超えるときは、相続分の指定と遺産分割方法の指定と両方の趣旨に解されます。
⑤遺贈と寄付行為
遺贈は必ずしも相続人に限らず、特定の者に特定の財産を贈与する行為であり、寄付行為は、財団法人の設立に充てる行為です。
⑥遺言執行者の指定又は指定の委託
⑦遺産分割の禁止
遺言者は、遺産の全部又は一部について、相続開始から5年以内の間、分割を禁止できます。
⑧遺留分減殺方法の指定
⑨相続人の廃除又は廃除の取消し
遺留分を有する推定相続人が被相続人に対し虐待又は重大な侮辱をし、あるいはその他の著しい非行があるとき、遺言でその者の相続権を奪う制度です。
⑩相続人相互の担保責任の指定
⑪信託法上の信託の設定
⑫保険金受取人の変更
これらのうち、①⑤⑨⑪⑫は生前行為によってできますが、その他は遺言でなければできません。