【千葉市花見川区・遺言書・Aさん】入院中での遺言書作成方法のご相談(特別方式の遺言書とその作成手順)
千葉市に住むAさんより遺言書についてのご相談です。
お話を伺うと、現在Aさん(長女)のお父様はガンにより入院中とのことでした。あまり良い状態ではなくお父様ご本人も死期が近い事を自覚しているとのことでした。そんな中でお父様が遺言書を作りたいと言っており、Aさん的には、体の状態もあるので普通には遺言書の作成は出来ないと思っていました。そこで当事務所にご相談に来た経緯となります。
「特別方式の遺言」
病気で重体に陥ったため自分で遺言書を書いたり、公証人の関与を求めたりする厳格な普通方式の遺言が出来ない場合があります。そのほか船舶や航空機の中とか、伝染病で隔離された場合について民法では、普通方式より簡易な特別方式の遺言を認めています。
特別方式のうち、一般臨終遺言は病気や事故で死亡の危急に迫った者が遺言する場合の方式です。死亡の危急に迫った場合とは、客観的に危篤状態であることは必要では無く、客観的にも死期が近いということをうかがわせる相当の事実があり、遺言者が主観的にそれを自覚していればよいとされています。
「一般臨終遺言の作成手順」
一般臨終遺言の書き方は次の通りです。
①証人3人以上の立ち合いの元に遺言者が証人の1人に遺言の趣旨を口授する
②遺言の口授を受けた証人がその場で筆記する
③口授を受けた証人が筆記した内容を遺言者及び他の証人に読み聞かせる
④各証人が筆記の正確なことを確認して遺言書に署名・押印する
遺言者本人の証明・押印は必要ありません。証人の資格は普通方式と同様に厳格となっています。実際には医師や看護師などに証人になってもらい、後日紛争が生じた時、遺言者の容体や精神状態について証言を得られるようにしておくのが理想的ですが、病院では後日の紛争に巻き込まれることを恐れる等の理由から、医師や看護師に証人になって貰えないことも多いです。
この遺言は、遺言の日から20日以内に証人の1人または利害関係人から請求して、その確認を得なければ効力がありません。また確認を得ても家庭裁判所の検認は必要となってきます。
最後に、危急時遺言は遺言者が危機を脱し、普通方式の遺言をすることが出来るようになった時から、6か月間生存する時は効力を失います。遺言者が自分で遺言を書けるとき、または公証人に出張してもらい公正証書遺言が作成出来るときは、それらのほうが無難となります。