【市原市・相続手続き・Kさん】一次相続時に将来の2次相続を考え遺産分割協議と相続手続き(不動産の名義変更等)を行った事例
市原市にお住まいのKさん(奥様)より相続手続きについてのご相談です。
被相続人:ご主人
相続人:Kさん(奥様:ご高齢)
相続人:Aさん(長女)
相続人:Bさん(次女)
Kさんのご主人が亡くなり相続手続きのご相談にいらっしゃいました。お話を伺うとKさんとAさん(長女)の仲が非常に悪く、遺産分割協議の時点で大分揉めているいるとの事でした。
財産内容としては、不動産(土地2か所:貸家2棟)がありました。Kさんはご自身が亡くなるまでの間は上記の貸家の家賃収入で生計を立てていこうと思っていました。
Kさんはご主人が亡くなり相続について色々と勉強をしていて、上記の不動産(2か所の土地・建物)をKさん一人で相続してしまうと、Kさん自身が亡くなった時に、Aさん(長女)・Bさん(次女)が相続する時はAさん(長女)・Bさん(次女)に多額の相続税がかかる事も分かっておりました。
実はKさんが揉めている要因でもある不仲なAさん(長女)は、母親が亡くなった時には、遺産分割協議もしたくないとの一点張りで今回の父親の遺産分割協議もしぶしぶ応じている状況でした。また、母親が亡くなった時点での分割協議をしたくないため、2か所の不動産(土地・建物)をAさん(長女)・Bさん(次女)の、名義にしてほしいとの要望が出ていました。
娘であるAさん・Bさんが不動産(土地建物:賃貸物件)を相続すると『贈与』になってしまい、贈与税がかかってきます。
一次相続・二次相続を踏まえて、更には2名の娘さんの要望も鑑み当事務所より次のご提案を致しました。
●Kさんが家賃収入の権利を引き継げるよう、貸家は全てKさんに相続してもらう。
●土地については、娘二人(Aさん・Bさん)が相続することで、二次相続時の相続税を回避する。
●土地の固定資産税は、Kさんが負担する。
●建物については、Kさんの死亡を条件とした「死因贈与契約」をそれぞれ結んでもらう。
●死因贈与の「執行者」を受贈者である娘さん(Aさん・Bさん)それぞれに指定する。
結果的にKさんもAさん(長女)も納得していただき、貸家はKさん名義になり、Kさんは家賃収入を得ることができるようになりました。
土地は娘(Aさん・Bさん)の名義となりましたが、Kさんが無償で土地を借りる「使用貸借契約」を結ぶことで、土地の固定資産税をKさんが支払うことも税務上問題ありません。
上記死因贈与契約を結ぶことにより、将来Kさんが亡くなったときに、娘二人(Aさん・Bさん)はそれぞれ単独で名義変更できるようになりましたので、いかなる不動産の処分や有効活用に問題は無いと思われます。