【相続登記・市原市・Oさん】借地権上の建物(不動産)の相続登記をした事例
市原市にお住まいのOさんより、相続登記(不動産登記)のご相談です。
Oさんの父が亡くなり、相続手続きのご相談にいらっしゃいました。一番の問題は父の住んでいた自宅が借地権付きの土地の上に建物(自宅)があるという事でした。Oさんは知人に聞いたところご自身では相続登記は難しいと判断、また地主への承諾等も必要なのかどうかもわからず、当事務所に来たというのが経緯となります。
相続人は、Oさんと妹さんの2名、母は既に他界しています。
まず、今回の事例で認識しなければいけない事は以下の通りです。
●借地権:建物等を所有するために他人の土地に設定された賃借権や地上権のことを言います。
(借地権も財産なので当然相続の対象となります)
●父親と同居していなかったとしても借地権を相続することができる(「借地権者が亡くなったので土地を返してほしい」という地主さんの要求に応じる必要はありません)
※借地上の建物を第三者に譲渡する場合には、必ず地主さんの承諾が必要になるのとは異なります
●借地権を相続した時に地主さんから名義書き換え料などを要求される場合もあるようですが、借地権の相続は譲渡に該当しないので、承諾料や更新料等の支払いは不要です
●地代や契約期間等、契約の内容はそのまま継承されますので新たに賃借契約を取り交わす必要もありません
(借地権の継承者が確定した段階で地主さんに内容証明で通知を出しておく)
建物(自宅)に関しましては、通常通り相続登記(不動産の名義変更:所有権移転)を行います。今回の事例ではOさんに名義変更をし、父親の住んでいた自宅に住む予定です。
ひとつここで注意点ですが、仮に借地権に存続期間があった場合は状況が変わります。俗に言う定期借地権というものです。この場合は存続期間を50年以上とする借地権で、存続期間を満了した場合は借地権が消滅し、借地上にある建物は解体し地主さんへ土地を返さなけれいけません。(更新・延長・建物買取請求等は認められません)
念のため、Oさんには地主さんとお父様の契約書を確認して頂くことも併せてご提案致しました。
借地上の建物(自宅)と借地権の相続は、地主さんへの承諾の必要はありませんので、土地の賃借権(または地上権)を相続により取得したことを当事務所より通知いたしました(土地の賃貸借契約書を書き換える必要もありません)
結果、問題なく相続登記を行う事ができ無事解決となりました。