【遺言書・千葉市美浜区・Eさん】生前に作成したと聞いていた遺言書が見当たらない事例
千葉市にお住まいのEさん(長男)よりのご相談です。
父が亡くなり、生前に遺言書を作ってあると聞かされていたので、父が亡くなり慌てることもなく遺品整理を行いながら相続の手続きに入ろうとしていたが、肝心の遺言書が見当たらないとのご相談でした。
相続人はEさん(長男)・次男・長女・次女の4名、母親は他界しています。
通常は遺言書の保管は遺言者自身がしているものですのですが、今回の事例はその遺言書の保管場所をご家族に伝えていなかったようです。
遺言書の有無に関わらず相続人同士で遺産分割をしてしまった場合は、相続人全員が納得していれば良いのかもしれませんが、万が一、知りえない相続人がいた場合や、特定の遺言内容があった場合に後々トラブルになってしまう事も想定されます。ですので、必ず遺言書を探すようにすることが大切です。
Eさん(長男)の記憶をたどると、生前父が公証役場に行ったという事を思い出したそうです。おのずと公正証書遺言を作成したと思われます。以外に知られていないのですが、平成元年以降に公正証書で作成された遺言は、実は遺言検索システムを利用して日本全国の公証役場に保管されている遺言を検索することができます。
そこで、当事務所より上記のシステムを使って検索する事をご提案致しました。結果としては8年前に千葉市の公証役場で作成されていることが分かりました。後日、当該の公証役場に伺い公正証書遺言の原本を入手致しました。
遺言内容は、兄弟姉妹で財産を4等分してほしいと書いてありました。また実家は長男に継いで欲しいとも書かれていました。ですが、Eさんもご自宅を持っており実家の今後の有効活用が無い為、相続人(兄弟姉妹)全員の一致で売却現金化しそれぞれ分配したいとのご意向になりましたので、改めて遺産分割協議書を作成させていただき、相続人4名で均等に相続致しました。
遺言書を作成した場合は、必ずご家族等に保管場所を伝えておきましょう。また、遺言書を作成していても相続する側がその内容を良しとしない場合もままございます。生前の内にご家族で将来の相続について話し合っておくことも大変重要だと思います。